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T 鍼灸って??
鍼灸とは、はり、きゅうなどを用いて、人体のいわゆる”つぼ”(正式には経穴という)に刺激を与え、効果を出すという治療法であります。
東洋医学では、人体を巡り、構成するものとして、気・血・水があり、血はまさしく血流、つまり人体を巡る血のことであります。水とは、人体を外邪(現代ではウイルスなど)から防御するという働きがあり、現代では免疫系と考えられています。
しかしながら、気についてはいろいろな概念があり、また目には見えないものなので、現在はっきり断定できるものはありませんが、これらが人体を統制していると考えられています。
人体には経絡流中という目には見えないが気・血・水の流れる道があり、その流れが滞りなく流れていれば病とは無縁となり、まさしく健康であると言えます。しかし、どこかの経絡で気・血・水のいずれかが滞ると、人体はアンバランスな状態となり、体の不調を訴えるようになります。
その人体のバランスをはりやきゅうを用いて、整えていきます。
U 鍼って??
”はり”と聞くと、病院で用いられている注射針を想像されると思いますが、鍼灸で使う”はり”はそんなに太くありません。
まず、注射針と鍼灸針の違いを比較します。
まず、注射針ですが、注射針の目的は採血と投薬です。つまり、鋭利な針先で皮膚、筋肉、血管を貫き、目的の採血、投薬を行います。つまり注射針は中空で、針先はメスのように鋭利になっています。よって、皮膚などをえぐることによって痛みが発生します。
一方、鍼灸針は、目的の深さまで筋肉を貫き、その周囲に発痛物質を作用させ、痛みを取るのが目的なので、注射針とは違い、痛みがほとんどありません。
一般に用いられている鍼灸針は材質はステンレス、銀、金などがあります。
また、皮内鍼や円皮鍼と呼ばれる皮膚にとどめて効果を出すもの、小児鍼や集毛鍼などの摩擦や皮膚表面の刺激を与える鍼もあります。
1 鍼灸針(毫鍼)
一般に用いられている鍼灸針は、注射針とは違い、鍼は中実で、針先はたまご型、のげ型、すりおろし型、松葉型のものなどいろいろな形があります。
また、太さは治療時に一般に使われている3番針で、0.20mmと、髪の毛とほぼ同等の太さです。また、髪の毛針というような太さのものもあります。
日本の鍼灸針は鍼管と呼ばれる管に鍼を入れ、皮膚にたてて少し出た鍼の頭を軽く叩き、皮膚を切り、目的の深さまで鍼を刺入していきます。目的の深さまで鍼を入れたら、鍼を操作して特有の”響き”を出します。
そして響きをえて、鍼をそのまま刺したままにしておく場合もありますし、すぐに鍼を抜く場合もありますが、そのときの症状によって異なります。
中国などでは、鍼菅なしで人体に刺入していきます。日本では区別する意味で、中国鍼などと言います。日本の鍼よりも刺入するときに痛みがあります。
近年、エイズやC型肝炎などの感染を防止するため、鍼灸針は全て使い捨てとなっていますから、鍼による感染は少なくなりつつあります。
2 皮内鍼・円皮鍼
皮内鍼は、皮膚層の中に鍼をとどめることによって治療効果を得るものです。
これは刺激を持続的に与えることが出来るので、比較的長時間治療効果を得ることが出来ます。
しかも皮下に刺入しないので、痛みもありません。
円皮針はちょうど画鋲のような形をした鍼で、皮膚をさして刺激を与えるものです。
皮内鍼とはやや異なりやや痛みが伴いますが、本来痛みがある場所に刺すのではなく、その部位の末梢や対側に刺すので、本来の痛みは脳内でキャンセルされます。
これらはだいたい一週間で治療効果が落ちてきますし、刺入部位に化膿菌の進入もありますので、取り替えます。
3 小児鍼
関西では”かんむし切り”として有名ですが、主に乳幼児に用いる鍼です。
鍼といっても、皮膚を擦って刺激を与える鍼ですから、痛くありません。
人見知りをする子は最初、環境、白衣、先生に慣れていないので、泣くことは多いですが、治療を繰り返すことにより徐々に慣れ、泣くこともなくなります。
小児鍼をすることにより、夜泣きが収まったり、おねしょをしなくなったり、風邪を引きにくくなったりします。
小児鍼は生後2ヶ月頃から治療が可能です。
小児鍼とはいえ、大人にも治療として用いることもあります。たとえば、脱毛、アトピー性皮膚炎などに用いることがあります。
4 最近の治療法
最近の鍼灸治療では、いろいろな方法で行われます。最近主に行われているのは、灸頭鍼や低周波鍼通電療法などです。
灸頭鍼は後述してありますので、そちらに譲ります。
低周波鍼通電療法は、鍼を刺して響きを出し、鍼の操作を行う代わりに、鍼通電を行い、響き感覚を持続させるものです。一般に鍼通電10分で、置鍼30分と同じ刺激量を得られると言われています。
主に刺激したい筋、神経を検討し、目的の深さ、鍼のたわみなどを考えて刺入し、刺激する部位に+極、末梢などに−極をつけ、通電します。
鍼通電のリズムとしては、一定のリズムで刺激を行う連続波、早いリズムと遅いリズムが交互に刺激する疎密波などがあります。
V 灸って??
灸は”やいと”などとも言われます。つまり、もぐさを皮膚の上で燃やし、火傷を起こす手技ですが、最近では美容上、跡がつかないように工夫しています。
もぐさはヨモギの葉の葉脈を乾燥させて作ります。
日本では滋賀県の伊吹山で取れるヨモギを用いた「伊吹もぐさ」が有名です。
もぐさにはテルペンという成分が含まれており、これが主な効能となっています。また、テルペンは近年見直されてきています。
もぐさは長年乾燥させた古いもぐさを皮膚用に用います。これは、屑が少なく、加熱温度が低いので、熱感が柔らかく、心地よい熱感です。
比較的新しいもぐさは、屑が多く、加熱温度が高いので、皮膚で直接燃やすのは向いていません。よって、鍼の竜頭にもぐさを付けて燃やす灸頭鍼に用いることが多いです。また、灸頭鍼には一つづつ串に刺さってそのまま付けられる切りもぐさなどもあります。
一般に薬局などで市販されている”せんねん灸”や”カマヤミニ”などは、手軽に行える灸治療です。
しかしながら、熱が一カ所に集中しやすく、しかも熱さに我慢しがちなので、火傷になることが多く見られます。熱くなったら少しずらしましょう。
また、まだ燃えている状態で動かすときは灰などで火傷をしないように気を付けましょう。
W 一般的な治療の流れ
鍼灸治療の一般的な治療の流れとしては、被患者の立ち振る舞いを見て、診察をします。これを望診と言います。
次に、声や鼻息などを聞き、診察をします。これを風診と言います。
それから、症状や体の状態、嗜好、体質などを聞きます。これを問診といいます。
ここで初めて患者さんに触れ、脈を診て、腹部や背中や足などに触れ、表面の堅さ、押さえたときの深部の堅さなどを観ます。これを切診と言います。
それらを総合して、診断結果である証というものを立てます。それを基に治療していきます。
私の場合、まずは全身のこりをほぐす意味で首から腰にかけて浅く針を刺していきます。これを散鍼と言います。
その後、置鍼や低周波鍼通電、灸頭鍼などは治療部位に針を刺したまま置きます。
終了後、鍼を抜き、灸をします。体の冷え感、血行などを観ながら、もぐさによる灸か棒灸などによる灸にするか決めます。
通常、2,3カ所ならばふつうの灸、冷え感がきわめて強い場合や広範囲に至るときは棒灸を使います。
その後、仰向けになり、もう一度脈を診ます。これはバランスを診るためで、ばらつきが大きい場合は手や足などの経穴を刺激し、バランスを取ります。
なかなか症状がとれない場合、皮内鍼や円皮鍼などを用いて、持続的な刺激を与えます。
簡単に書きましたが、ざっとこんな感じです。まあ、先生それぞれの流れというものがありますので、進め方が違うこともあると思います。その流れも結構合う合わないがあると思います。そういうところで流れを観ていくのもいいかと思います。
ただ、知っていていただきたいのは、「彼も人なり、我も人なり」ということです。
治療する側にも精神的、肉体的なばらつきがあります。なるべく同じように保てるように日々努力していますが、どうしても、という時があります。
ですから、それを見極めるためにも1度だけでなく、少なくとも3回は通ってみてください。3度通って合うと思えば、きっといい関係が築けると思いますし、合わなければ行かないに限ります。私的考察ですが、お試しあれ(笑)
もし、これは?と言うようなことがありましたらメールで質問してください。
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